Q | 問題となっている欠陥は、構造部分に関わる欠陥でも雨水の浸入に関する欠陥でもないのですが、保険付住宅であれば、住宅紛争審査会に申請することはできるのでしょうか。 |
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A | できます。住宅紛争審査会は、住宅瑕疵保険が付いている住宅、及び建設性能評価書が交付されている住宅(評価住宅)のかしをめぐる紛争であれば、申請することができます。 |
Q | 調停手続は、どのように進めるのですか。 |
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A | 調停手続では、申請人と被申請人が、交互に調停委員と話をして、調停委員が双方の言い分を聞きながら、話合いでの解決に向けて進めて行きます。 |
Q | 弁護士や建築士の協力がないのですが、私本人だけで手続を進めることができるのでしょうか |
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A | 住宅紛争審査会の審査委員の弁護士と建築士が、法的面・建築面からの各専門的知識を踏まえて、紛争の解決に向けて手続を進めますので、弁護士・建築士の協力がなくても大丈夫です。ただ、審査員は公平な立場で手続を進めますので、その点はご留意ください。 |
Q | 調停手続は、解決まで何回くらい開催されますか。 |
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A | 調停手続は、両当事者が同意に至らないと解決(調停の成立)しませんので、それまでに要する回数は一様ではありませんが、3回〜5回くらいで、成立したり、逆に不成立(調停手続での解決可能性がない)となる場合が多いようです。 |
Q | 住宅紛争審査会の調停と、裁判所の調停との長所・短所を教えてください。 |
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A | 当事者が調停委員を介して話合いによる解決を図るという点では同じですし、弁護士・建築士が調停委員として関わるという点でも同じですが、下記の点が異なります。 まず、裁判所の調停は相手方に請求する金額によって費用(印紙代)が異なりますが、住宅紛争審査会の調停手続に要する費用は、一律1万円(ただし、令和3年9月30日以前に保険申込みがされた2号保険付き住宅に係る申請手数料は1万4千円)です。ちなみに、裁判所の調停における印紙代の金額は、相手方に請求する金額が100万円の場合は5000円、500万円の場合は15000円、1000万円の場合は25000円です。 次に、調停が成立した場合、裁判所の調停調書には確定判決と同様、調停調書に基づいて強制執行ができますが、住宅紛争審査会の調停調書で強制執行することはできません。 |
Q | 住宅紛争審査会に申請しても、相手方がこれに応じない場合は、どうなるのでしょうか。 |
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A | 住宅紛争審査会は相手方(被申請人)に対し出頭を強制することはできませんので、相手方が応じない場合は、裁判所に提訴するしかありません。 |
Q | 相手方に対する権利について消滅時効期間が残りわずかなのですが、住宅紛争審査会にあっせん又は調停手続を申請した場合、消滅時効の進行はどうなりますか。 |
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A | 令和3年9月30日以降に申請されたあっせん又は調停手続については、一定の場合に時効完成猶予効が生じます。 すなわち、令和3年9月30日以降に申請したあっせん又は調停手続にかかる紛争につき、あっせん又は調停による解決の見込みがないことを理由に住宅紛争審査会によりその手続が打ち切られた場合において、申請をした当事者が打切り通知を受けた日から1か月以内にその手続の目的となった請求について訴えを提起したときは、申請時に遡って訴えの提起があったものとみなされ、時効の完成が猶予されます。 なお、令和3年9月30日時点で係属中の、あっせん又は調停手続に関する時効完成猶予効については、当審査会にお問い合わせください。 |
Q | 調停が成立して、被申請人が申請人に対して、補修費用として100万円を1ヶ月後に支払うことに決まりましたが、もし、被申請人が支払わなかったら、被申請人の財産に対して強制執行をすることができますか。 |
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A | できません。住宅紛争審査会の調停調書は、強制執行の根拠となる「債務名義」にはなりませんので、強制執行はできません。 |